Vtiger CRMのデータインポート機能は、大量の顧客データや案件を一括登録できる強力なツールですが、設定を一つ間違えると「データが消えた」「意図しない上書きが起きた」といった重大なトラブルに繋がりかねません。

特に「重複データ」の扱いは非常に複雑で、直感とは異なる挙動をする場合があります。

本ガイドでは、マニュアルには書かれていない挙動のクセや、トラブルを未然に防ぐための実践的なTIPSを網羅しました。

第1章:インポートの「重複処理」3つのパターン

インポートウィザードの 「Step 4: Duplicate Handling(重複処理)」 は、データの運命を決める最も重要な分岐点です。設定によってデータがどう扱われるか、3つのパターンで解説します。

パターン1: 「すべて新規追加」 (Add New Records)

重複チェックを行わず、CSV内のデータをすべて新しいレコードとして作成するモードです。

  • 挙動: CSVファイルに100行あれば、CRM内にきっちり100件のレコードが新規作成されます。
  • リスク: 既にCRM内に存在する顧客(例:sato@example.com)がCSVに含まれていた場合、同じデータが2重に登録されてしまいます。
  • 推奨シーン: 初回導入時など、CRMが空っぽの場合や、確実に新規データしかない場合。

パターン2: 「上書き更新」 (Update Existing Records – Overwrite)

マッチングキー(メールアドレスや顧客番号など)を使って既存データを検索し、見つかった場合はCSVの内容で上書きするモードです。

  • 挙動:
    • 一致あり: 既存レコードのフィールドを、CSVの値で塗り替えます。
    • 一致なし: 新規レコードとして作成します。
  • リスク: CSVのセルが「空欄」の場合、設定によっては既存データの値も消去(空欄で上書き)されてしまうことがあります。

パターン3: 「空欄補充」 (Merge)

既存データを優先し、CSVの情報は「足りない部分の補充」に留める安全策です。

  • 設定方法:
    • 重複処理のパターン選択でMergeを選択して処理します。
  • メリット: 「住所は変えずに、空欄になっているメールアドレスだけ埋めたい」といった場合に、既存の貴重なデータを誤って消すリスクを回避できます。

第2章:【最重要】重複データが存在する場合の挙動

インポート時にトラブルが起きやすいのが、「CSVファイルの中」または「CRMの中」に重複データが存在するケースです。それぞれの挙動を正しく理解しておく必要があります。

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