一括編集 (Mass Edit) は、リストビュー(一覧画面)で選択した複数のレコードに対して、特定のフィールド値をまとめて書き換える機能です。
例えば、「担当者が退職したので、彼が持っている100件の顧客データを後任者に一括で変更したい」といった場合に、1件ずつ開いて編集する手間を省き、数クリックで作業を完了させることができます。
目次
0. 機能イメージ図
「選択したレコード」の「指定した項目」だけが書き換わり、それ以外は維持される仕組みを図解しました。
graph TD
USER("👤 ユーザー")
subgraph LIST_VIEW ["📋 リストビュー (一覧)"]
REC1["☑️ レコードA (担当: 田中 / ランク: B)"]
REC2["☑️ レコードB (担当: 鈴木 / ランク: A)"]
REC3["☑️ レコードC (担当: 佐藤 / ランク: C)"]
end
ACTION("✏️ 一括編集ボタン")
subgraph EDIT_FORM ["📝 編集フォーム"]
INPUT_ASSIGN["担当者: <b>高橋</b> (変更)"]
INPUT_RANK["ランク: (空欄=変更なし)"]
end
RESULT["✅ 更新結果"]
UPDATE1["レコードA (担当: <b>高橋</b> / ランク: B)"]
UPDATE2["レコードB (担当: <b>高橋</b> / ランク: A)"]
UPDATE3["レコードC (担当: <b>高橋</b> / ランク: C)"]
USER -- "チェックしてクリック" --> LIST_VIEW
LIST_VIEW --> ACTION
ACTION --> EDIT_FORM
EDIT_FORM -- "保存" --> RESULT
RESULT --- UPDATE1 & UPDATE2 & UPDATE3
style ACTION fill:#fff9c4,stroke:#fbc02d,stroke-width:2px
style EDIT_FORM fill:#e3f2fd,stroke:#1565c0,stroke-width:2px
style RESULT fill:#e8f5e9,stroke:#2e7d32,stroke-width:2px
style INPUT_ASSIGN fill:#ffffff,stroke:#d32f2f,stroke-width:2px
1. 主な特徴
- 複数レコード同時更新: 2件でも100件でも、チェックを入れたレコード全てを一度に更新できます。
- 特定フィールドのみ更新: 変更したい項目(例:担当者)だけを入力すれば、それ以外の項目(例:住所や電話番号)は元のまま維持されます。
- 全モジュール対応: 顧客、案件、チケット、タスクなど、リスト表示ができるほぼ全てのモジュールで利用可能です。
2. 画面へのアクセス
この機能は、各モジュールの リストビュー(一覧画面) から利用します。
- 任意のモジュール(例:顧客担当者)を開きます。
- 更新したいレコードの左端にある チェックボックス にチェックを入れます。
- ※ヘッダーのチェックボックスを押すと、ページ内の全件(またはリスト内の全件)を選択できます。
3. 操作手順
3.1. 編集画面の起動
- レコードを選択した状態で、リスト上部のアクションバーにある 鉛筆アイコン をクリックします。
- 一括編集 のポップアップ画面が表示されます。
3.2. 更新内容の入力
この画面には、そのモジュールの編集可能なフィールドがすべて表示されます。
「変更したい項目だけ」に値を入力してください。
- 入力した項目: 選択した全レコードの該当フィールドが、この値で上書きされます。
- 空欄の項目: 何も入力しなかったフィールドは、変更されず元の値が維持されます。
- ※「値を空(クリア)にしたい」場合は、通常の手順ではできないため、注意が必要です(システムによってはクリア用のチェックボックスがある場合もあります)。
3.3. 保存と実行
- 保存 をクリックします。
- 処理がバックグラウンドで実行され、完了するとリストが更新されます。
4. 活用事例(レシピ)
事例1: 担当者の変更(引き継ぎ)
- 状況: 営業担当Aさんが異動するため、彼が担当している「見込客」を全てBさんに引き継ぎたい。
- 操作:
- フィルターで「担当者 = Aさん」のリストを表示。
- 全件選択して「一括編集」をクリック。
- 担当者 フィールドを「Bさん」に変更して保存。
- 効果: 数百件のデータが一瞬でBさんの担当に切り替わります。
事例2: 問合せ・チケットの一括クローズ
- 状況: スパムメールなどで大量に発生した不要なチケットをまとめて処理したい。
- 操作:
- 対象チケットを選択して「一括編集」。
- ステータス を「完了」に変更して保存。
- 効果: 1件ずつ開いてステータス変更する時間を大幅に削減できます。
事例3: 訪問予定日の一括変更
- 状況: 台風などの影響で、明日の訪問予定を全て来週に延期したい。
- 操作:
- カレンダーリストで明日の予定を選択して「一括編集」。
- 開始日 と 期日 を来週の日付に変更して保存。
- 効果: 日程変更作業を効率化できます。