Webフォーム (Webforms) は、自社のウェブサイト(ホームページ)にお問い合わせフォームや資料請求フォームを設置し、そこに入力された情報を自動的にVtiger CRMに取り込む機能です。

訪問者がフォームを送信した瞬間に、CRM内に「見込み客(Lead)」や「連絡先(Contact)」、「チケット(Ticket)」などのレコードが自動作成されます。これにより、メールからの転記作業をなくし、営業やサポートの初動対応を劇的に速くすることができます。

0. 機能イメージ図

WebサイトとCRMが直結し、データ入力が自動化される流れを図解しました。

graph LR
    VISITOR("👤 Webサイト訪問者")
    
    subgraph SITE ["自社Webサイト"]
        FORM["📝 お問い合わせフォーム<br>(氏名・Email・内容)"]
        SUBMIT("送信ボタン")
    end

    subgraph CRM ["VTiger CRM"]
        SYSTEM{"⚙️ 自動処理"}
        RECORD["✅ レコード作成<br>(リード/チケット)"]
        NOTIFY("🔔 担当者へ通知")
    end

    VISITOR --> FORM
    FORM --> SUBMIT
    SUBMIT --> SYSTEM
    SYSTEM --> RECORD
    RECORD --> NOTIFY

    style SITE fill:#e3f2fd,stroke:#1565c0,stroke-dasharray: 5 5
    style FORM fill:#ffffff,stroke:#333
    style CRM fill:#fff3e0,stroke:#ef6c00,stroke-width:2px
    style RECORD fill:#e8f5e9,stroke:#2e7d32,stroke-width:2px

1. 主な特徴

  • 自動取り込み: ウェブサイトの入力内容がそのままCRMのレコードになります(手入力不要)。
  • HTMLコード生成: プログラミングの知識がなくても、貼り付けるだけで使えるフォーム用HTMLコードを自動生成します。
  • 担当者の割り当て: 取り込んだデータの担当者を特定のユーザーやグループに自動設定できます。
  • ファイル添付: 顧客がアップロードしたファイル(画像やPDFなど)もCRMに取り込めます。
  • スパム対策: Google reCAPTCHAを統合して、ボットによるスパム投稿を防げます。

2. 設定画面へのアクセス

  1. 画面右上の 歯車アイコン(設定) > CRM設定 をクリックします。
  2. オートメーション > Webフォーム をクリックします。

3. 設定手順

3.1. 新規Webフォームの作成

  1. 画面右上の + Webフォームを追加 ボタンをクリックします。
  2. 基本情報 を入力します。
項目名説明
Webform Name管理用の名前を入力します。(例:HPお問い合わせ用)
モジュール作成するデータの種類を選択します。(例:Leads, Contacts, Tickets)
戻り URL送信完了後に移動させたいページのURLを入力します。(例:自社サイトの「送信完了ページ」)
担当者取り込んだデータの担当者を指定します。(特定のユーザーまたはグループ)
ステータスフォームを有効にするには「Active」にします。
Captcha Enabledスパム対策(reCAPTCHA)を有効にする場合はチェックを入れます。

3.2. フィールドの選択

フォームに表示させたい項目を選択します。

  1. フィールドを追加 ボタン(またはリストからの選択)を使って、必要な項目を追加します。
    • 例:Last Name(必須), Email, Phone, Description(問い合わせ内容)など。
  2. 必須: 必須入力にしたい項目にチェックを入れます。
  3. 隠す: 画面には表示しないが、固定値を埋め込みたい場合(例:リードソースを「Webサイト」で固定するなど)に使用します。

3.3. HTMLコードの取得

設定を保存すると、Webフォームの一覧に戻ります。

  1. 作成したWebフォームの右側にある フォームを表示する をクリックします。
  2. 表示されたソースコード(HTML/JavaScript)をコピーします。
    • あなたのウェブサイトに以下のコードを埋め込んでください: コピーしたコードを、自社サイトのHTMLファイル(WordPressならカスタムHTMLブロックなど)に貼り付けます。

4. 活用事例(レシピ)

事例1: 資料請求フォーム (見込客)

  • 設定: モジュールを「見込客」に設定。
  • フィールド: 氏名、会社名、メールアドレス、電話番号。
  • 隠しフィールド: リードソースを「Webサイト」に固定。
  • 効果: サイトから資料請求があるたびに、即座にリード情報が登録され、営業担当に通知が飛びます(ワークフロー併用)。

事例2: サポート受付フォーム (問合せ)

  • 設定: モジュールを「問合せ(チケット)」に設定。
  • フィールド: タイトル、詳細、優先度、添付ファイル。
  • 運用: 既存顧客向けポータルやサポートページに設置。
  • 効果: 電話を受けなくても、詳細な不具合情報やスクリーンショットを直接チケットとして受け取れます。

事例3: イベント参加登録 (顧客担当者)

  • 設定: モジュールを「顧客担当者」に設定。
  • フィールド: 氏名、メール、役職。
  • 効果: セミナーやイベントの申し込み情報を自動で顧客データベース化し、その後のメルマガ配信などに活用できます。