グループ (Groups) は、複数のユーザーやロール(役職)をまとめて一つの「チーム」として定義する機能です。
ロール(Roles)が上下関係やアクセス権限の制御に使われるのに対し、グループは「レコードの共同所有(共有)」に使われます。例えば、チケットの担当者を「田中さん(個人)」ではなく「サポートチーム(グループ)」に設定することで、チームメンバー全員がそのチケットを確認・対応できるようになります。
目次
0. 機能イメージ図
個人割り当てとグループ割り当ての違い、そしてグループのメリットを図解しました。
graph TD
RECORD["🎫 チケット #001<br>「PCが起動しない」"]
subgraph ASSIGN ["担当者の割り当て (Assigned To)"]
CASE1("👤 個人に割り当て<br>(田中さん)")
CASE2("👥 グループに割り当て<br>(サポートチーム)")
end
subgraph MEMBERS ["アクセス権"]
USER1("田中さん: ⭕ 対応可能")
USER2("鈴木さん: ❌ 見えない")
TEAM_MEM1("田中さん: ⭕")
TEAM_MEM2("鈴木さん: ⭕")
TEAM_MEM3("佐藤さん: ⭕")
end
RESULT["✅ チーム全員で対応可能<br>(誰かが休んでも大丈夫)"]
RECORD --> CASE1
RECORD --> CASE2
CASE1 -.-> USER1 & USER2
CASE2 --> TEAM_MEM1 & TEAM_MEM2 & TEAM_MEM3
TEAM_MEM1 & TEAM_MEM2 & TEAM_MEM3 -.-> RESULT
style RECORD fill:#fff9c4,stroke:#fbc02d,stroke-width:2px
style CASE2 fill:#e3f2fd,stroke:#1565c0,stroke-width:2px
style RESULT fill:#e8f5e9,stroke:#2e7d32,stroke-width:2px
1. 主な特徴
- 共同作業: レコードをグループに割り当てることで、メンバー全員がそのレコードにアクセスできるようになります。
- 柔軟なメンバー構成: 特定のユーザーだけでなく、「営業部の全メンバー(ロール)」や「他のグループ」をまとめてメンバーに追加できます。
- 通知の共有: グループ宛にメール通知を送る設定にすれば、メンバー全員に一斉送信されます。
- ワークフロー活用: ラウンドロビン(自動割り当て)などの機能と組み合わせて、グループ内のメンバーに順番に仕事を振る際の受け皿として機能します。
2. 設定画面へのアクセス
- 画面右上の 歯車アイコン(設定) > CRM設定 をクリックします。
- ユーザー管理 > グループ をクリックします。
3. 設定手順
3.1. 新規グループの作成
- 画面右上の +グループの追加 ボタンをクリックします。
- グループ名: グループ名を入力します。(例:営業チーム, サポートチーム)
- 説明: 説明を入力します。(任意)
3.2. メンバーの追加
「このグループに誰を含めるか」を設定します。グループメンバー 欄のリストから対象を選択します。
選択できる対象の種類:
- ユーザー: 特定の個人(例:田中、鈴木)を指名して追加します。
- ロール: 特定の役職(例:営業担当)に就いている全員を追加します。
- ロールとその従属: 特定の役職とその部下全員を追加します。
- グループ: 既存の別のグループを丸ごと追加します(入れ子構造)。
- 設定が完了したら 保存 をクリックします。
4. 活用事例(レシピ)
事例1: ヘルプデスクのチケット共有
- 設定: 「サポートチーム」グループを作成し、サポート担当者全員を追加。
- 運用: お問い合わせフォームから自動作成されるチケットの担当者を「サポートチーム」に設定。
- 効果: 誰か一人の担当になる前に、チーム全員がチケットを確認でき、手の空いている人が対応を開始(自分に割り当て変更)する「プル型」の運用が可能になります。
事例2: マーケティングリードのプール
- 設定: 「インサイドセールス」グループを作成。
- 運用: 展示会で獲得した大量の名刺データをインポートし、担当者を一旦「インサイドセールス」グループにする。
- 効果: 共有の「見込み客プール」として管理し、各営業担当がそこからアプローチする顧客をピックアップしていく運用ができます。
事例3: 部署横断プロジェクト
- 設定: 「プロジェクト A チーム」グループを作成。
- メンバー: 営業部の田中さん(Users)、開発部全員(Roles)、品質管理グループ(Groups)を追加。
- 効果: 組織図(ロール)とは異なる、プロジェクト単位の混成チームで情報を共有できます。