顧客担当者又は連絡先 (Contacts) は、取引先企業の「顧客担当者(個人)」や、B2C(個人向け)ビジネスにおける「顧客個人」の情報を管理するモジュールです。
顧客企業(Organizations)が「会社」という箱であるのに対し、顧客担当者は「人」に焦点を当てています。誰が決裁権を持っているか、誰といつ電話をしたか、誰から問い合わせが来たかといった、対人コミュニケーションの履歴はすべてここに集約されます。
目次
0. 機能イメージ図
顧客担当者(人)が、組織と個人の活動(メールやチケット)を繋ぐ「結節点」であることを図解しました。
graph TD
CONTACT(("👤 Contact<br>(連絡先/担当者)"))
subgraph BELONG ["所属 (Affiliation)"]
ORG["🏢 Organization<br>(顧客企業)"]
BOSS["👔 Reports To<br>(上司)"]
end
subgraph COMM ["対話 (Communication)"]
MAIL["📧 メール送受信"]
PHONE["📞 電話履歴"]
MEETING["📅 訪問予定"]
end
subgraph ACCESS ["アクセス権 (System)"]
PORTAL["💻 顧客ポータル<br>(ログインID)"]
end
subgraph HISTORY ["履歴 (History)"]
TICKET["🎫 チケット"]
OPP["💰 商談"]
end
CONTACT -- "所属" --> ORG
CONTACT -- "部下" --> BOSS
CONTACT --- MAIL
CONTACT --- PHONE
CONTACT --- MEETING
CONTACT -- "利用" --> PORTAL
CONTACT --- TICKET
CONTACT --- OPP
style CONTACT fill:#e3f2fd,stroke:#1565c0,stroke-width:4px,color:#000
style BELONG fill:#fff3e0,stroke:#ef6c00
style COMM fill:#e8f5e9,stroke:#2e7d32
style ACCESS fill:#f3e5f5,stroke:#7b1fa2
style HISTORY fill:#fff9c4,stroke:#fbc02d
1. 主な特徴
- 組織との連携: 連絡先を「顧客企業(Organization)」に紐付けることで、その会社に誰が所属しているかを管理できます。
- 階層管理: 「上司(Reports To)」を設定することで、取引先企業内の指揮命令系統を表現できます。
- ポータルアクセス: 顧客担当者に対して「カスタマーポータル」の利用権限を付与し、ログインIDを発行することができます。
- マーケティング連携: メールマガジンの配信停止フラグや、キャンペーンへの反応履歴などを個人単位で管理できます。
2. 画面へのアクセス
- VTigerのメインメニュー(三本線アイコン)をクリックします。
- Marketing(マーケティング) または Sales(セールス) カテゴリ内の Contacts(連絡先) をクリックします。
3. 操作手順
3.1. 新規作成 (顧客担当者を追加)
新しい顧客担当者(個人)を登録します。
- 一覧画面右上の +顧客担当者を追加 ボタンをクリックします。
- 姓 (必須): 氏名(姓)を入力します。
- 顧客企業名: 所属する会社を選択します(B2Bの場合)。
- ※ここを入力すると、会社の住所情報などが自動的にコピーされる場合があります(設定による)。
- 電話 / 携帯電話: 会社の電話番号や携帯番号を入力します。
- メールアドレス: メールアドレスを入力します(メール送信やポータル通知に使用)。
- 担当者: 自社の担当者を指定します。
- 保存 をクリックします。
3.2. ポータルユーザーの有効化
顧客にサポートポータルを使わせたい場合の設定です。
- 顧客担当者の編集画面を開きます。
- ポータルユーザー のチェックボックスをオンにします。
- サポート開始日 / サポート終了日 で利用期間を設定します。
- 保存すると、登録されたメールアドレスにログイン情報が送信されます。
3.3. 関連情報の確認
詳細画面の右側(または下部)の関連リストから、この人物に関連するデータを確認できます。
- 活動: この人との会議や電話の予定・履歴。
- メール: 送受信したメールの履歴。
- 問合せ: この人から寄せられた問い合わせ(チケット)。
- 見積 / 請求: この人宛に発行した見積書や請求書。
4. 活用事例(レシピ)
事例1: キーマン(決裁者)の管理
- 運用: 1つの顧客企業に対して、部長、課長、担当者の3名を顧客担当者に登録。
- 設定: 「Reports To(上司)」フィールドを使って、担当者→課長→部長というレポートラインを設定。
- 効果: 誰がキーマンで、誰にアプローチすべきかという組織図をCRM上で把握できます。
事例2: B2C(個人客)の管理
- 状況: 不動産や保険など、個人が顧客の場合。
- 運用: 「顧客企業名」を空欄(または「個人顧客」というダミー会社)にして登録。
- 効果: 企業に依存しない個人の顧客データベースとして利用できます。
事例3: メールマーケティングの宛先管理
- 状況: キャンペーンメールを送りたい。
- 操作: 一覧画面で「東京都在住」かつ「役職がマネージャー」の条件でフィルターを作成。
- 効果: 抽出されたリストに対して、メールマーケティング拡張機能などで一斉送信を行います。