見積書 (Quotes) は、顧客に対して製品やサービスの価格、数量、取引条件を正式に提示するためのモジュールです。
商談(Opportunity)が進み、具体的な金額提示の段階になったら作成します。製品マスター(Products/Services)からアイテムを選択して計算する機能や、PDFとして出力して顧客にメール送信する機能を備えています。
目次
0. 機能イメージ図
見積書が「商談」と「受注・請求」の間をつなぐ重要なドキュメントであることを図解しました。
graph TD
OPP["💰 商談 (Opportunity)"]
subgraph QUOTE_PROCESS ["📝 見積書 (Quote) 作成"]
DRAFT["下書き作成<br>(製品選択・金額計算)"]
PDF["📄 PDF出力・送付"]
STATUS{"顧客の反応"}
REJECT["❌ 失注・再見積"]
ACCEPT["✅ 承認・受注"]
end
subgraph NEXT_STEP ["次のステップ"]
SO["📑 受注書 (Sales Order)"]
INV["💵 請求書 (Invoice)"]
end
OPP -- "作成" --> DRAFT
DRAFT --> PDF
PDF --> STATUS
STATUS --> REJECT
REJECT -.-> DRAFT
STATUS --> ACCEPT
ACCEPT --> SO
ACCEPT --> INV
style OPP fill:#ffffff,stroke:#333,stroke-dasharray: 5 5
style QUOTE_PROCESS fill:#e3f2fd,stroke:#1565c0,stroke-width:2px
style ACCEPT fill:#fff9c4,stroke:#fbc02d
style NEXT_STEP fill:#e8f5e9,stroke:#2e7d32,stroke-width:2px
1. 主な特徴
- 明細行の管理: 登録済みの製品・サービスを検索して追加し、数量や割引率を設定するだけで、小計・税金・合計金額を自動計算します。
- 商談との連動: 商談(Opportunity)からワンクリックで見積書を作成でき、顧客情報などを引き継げます。
- PDF出力: 作成した見積書を、自社のロゴ入りPDFとして出力したり、メールに添付して送信したりできます。
- ステージ管理: 「作成済み(Created)」「承認済み(Approved)」「送付済み(Delivered)」などのステータスで進捗を管理できます。
2. 画面へのアクセス
- VTigerのメインメニュー(三本線アイコン)をクリックします。
- Sales(セールス) カテゴリ内の Quotes(見積書) をクリックします。
3. 操作手順
3.1. 新規作成 (見積を追加)
- 一覧画面右上の + 見積を追加 ボタンをクリックします。
- 基本情報:
- 件名 (必須): 件名を入力します。(例:〇〇システム導入御見積)
- 顧客企業 / 顧客担当者: 宛先となる顧客を選択します。
- 案件名: 関連する商談があれば選択します。
- ステータス: 現在の状態(作成済みなど)を選択します。
- 明細行 (Item Details):
- 製品・サービスを追加: 製品またはサービスを追加します。
- 数量 / 単価: 数量と単価を確認・修正します。
- 値引きt: 必要に応じて値引き(金額または%)を設定します。
- 税: 税設定を確認します(※システム設定に従います)。
- 保存 をクリックします。
3.2. PDFのエクスポート
作成した見積書をPDF化します。
- 見積書の詳細画面を開きます。
- 画面右上の その他 ボタンをクリックします。
- PDFへエクスポート を選択します。
- ※テンプレート選択画面が出る場合があります。
- PDFファイルがダウンロードされます。
- PDF形式で電子メールで送信 を選ぶと、PDFが添付された状態でメール作成画面が開きます。
※標準のPDF出力は日本語に対応していないため、カスタマイズまたはエクステション(拡張機能)の導入が必要です。
3.3. 受注・請求への変換
見積もりが承認されたら、次のステップへ進めます。
- 詳細画面右上の その他 ボタンをクリックします。
- 作成 受注(受注書を作成)または 作成 請求(請求書を作成)を選択します。
- 見積書の内容がコピーされた状態で、新しい伝票の作成画面が開きます。
4. 活用事例(レシピ)
事例1: 松・竹・梅の複数提案
- 状況: 顧客に3パターンの金額を提示したい。
- 操作:
- 「プランA」の見積書を作成。
- 複製 機能を使ってコピーし、内容を修正して「プランB」「プランC」を作成。
- 効果: 素早く複数の選択肢を提示でき、顧客の検討を促せます。
事例2: 有効期限の管理
- 設定: 「見積有効期限」フィールドを入力。
- 運用: レポート機能で「有効期限切れ間近」の見積書を抽出し、再アプローチやクロージングのきっかけにする。
事例3: 承認プロセスの導入
- 運用: 担当者が作成した段階ではステージを「下書き」にし、上長が内容を確認して「承認済み」に変更してからPDF出力する。
- 効果: 誤った金額での提示や、不適切な値引きを防ぎます。