サービス契約 (Service Contracts) は、顧客と結んだ「保守契約」や「サポート契約」の期間や内容を管理するモジュールです。

単に契約期間(いつからいつまで有効か)を記録するだけでなく、サポートの「回数券(残り何回)」や「時間枠(残り何時間)」といった消化型の契約管理ができるのが最大の特徴です。サポートチケットと連動させることで、「契約の範囲内で対応する」という運用が可能になります。

0. 機能イメージ図

サービス契約が「タンク(残量)」の役割を果たし、日々のサポート活動(チケット)がそこからリソースを消費していく様子を図解しました。

graph TD
    CONTRACT("📜 サービス契約<br>・期間: 1年間<br>・総量: 100ポイント (合計単位)")
    
    subgraph SUPPORT ["日々のサポート活動 (問合せ)"]
        TICKET1["🎫 チケットA (解決)<br>消費: 10ポイント"]
        TICKET2["🎫 チケットB (解決)<br>消費: 5ポイント"]
        TICKET3["🎫 チケットC (解決)<br>消費: 20ポイント"]
    end

    subgraph STATUS ["契約ステータス管理"]
        CALC("🧮 自動計算<br>使用単位更新")
        RESULT["📉 残量: 65ポイント"]
        ALERT("⚠️ 期限/残量アラート")
    end

    TICKET1 & TICKET2 & TICKET3 -- "紐付け & 消費" --> CONTRACT
    CONTRACT --> CALC
    CALC --> RESULT
    RESULT -.->|少なくなったら| ALERT

    style CONTRACT fill:#ffcc80,stroke:#ef6c00,stroke-width:4px,color:#000
    style SUPPORT fill:#e3f2fd,stroke:#1565c0
    style STATUS fill:#fff9c4,stroke:#fbc02d,stroke-width:2px
    style ALERT fill:#ffcdd2,stroke:#c62828

1. 主な特徴

  • 契約期間の管理: 開始日(Start Date)と終了日(Due Date)を設定し、有効な契約かどうかを判断します。
  • 消化ユニット管理: 契約に対して「合計ユニット数(Total Units)」を設定し、サポート対応のたびに消費していくことができます(時間制や回数制に対応)。
  • チケットとの連動: トラブルチケット作成時に契約を紐付けることで、対応完了時に自動的に契約の残りユニットを減らすことができます。
  • 進捗の可視化: 契約の消化率(Progress)をバー表示で確認できます。(エクステション機能で設定)

2. 画面へのアクセス

  1. VTigerのメインメニュー(三本線アイコン)をクリックします。
  2. サポート カテゴリ内の サービス契約 をクリックします。

3. 操作手順

3.1. 新規契約の作成 (サービス契約を追加)

  1. 一覧画面右上の + サービス契約を追加 ボタンをクリックします。
  2. 以下の重要項目を入力します。
項目名説明
件名 (必須)契約名を入力します。(例:2024年度 ゴールドサポート契約)
モジュールの選択(顧客企業または顧客担当者契約相手となる顧客(顧客企業 / 顧客担当者)を選択します。
開始日 / 終了予定日契約の開始日と終了日(有効期限)を入力します。
追跡単位管理単位を選択します。(Hours=時間、Days=日、Incidents=回数)
合計単位契約に含まれる総量を入力します。(例:100時間、10回など)
※無制限の場合は空欄または0にします。
ステータス契約状態(進行中, 完了など)を選択します。
  1. 保存 をクリックします。

3.2. チケット対応時の消化(連動)

サポート担当者が問い合わせ(チケット)に対応する際の手順です。

  1. 問合せ(チケット) を新規作成(または編集)します。
  2. モジュール選択 で顧客を選択すると、その顧客に関連する有効な サービス契約 が自動的に候補として表示されるので選択します。
  3. チケット対応が完了したら、時間(または日)フィールドに、今回消費したコスト(作業時間など)を入力します。
  4. チケットを保存すると、紐付けられたサービス契約の 使用単位(使用済みユニット) が加算され、残数が減ります。

4. 活用事例(レシピ)

事例1: 年間保守契約(期間管理のみ)

  • 設定:
    • 開始/終了予定日: 2024-04-01 〜 2025-03-31
    • 追跡単位: 指定なし(または合計単位を入力しない)
  • 運用: チケット対応時にこの契約を紐付けることで、「有効な契約期間内か」を確認する目印として使用。

事例2: チケット回数券(インシデント制)

  • 設定:
    • 追跡単位: インシデント(回数)
    • 合計単位: 10(全10回)
  • 運用: 問い合わせがあるたびにチケットを作成し、解決時に「1.0」を消費する。
  • 効果: 残り回数が自動計算され、ゼロになったら契約更新(追加購入)を促すことができます。

事例3: タイムチャージ型サポート(時間制)

  • 設定:
    • 追跡単位: 時間(時間)
    • 合計単位: 50(50時間パック)
  • 運用: エンジニアが対応にかかった時間(例:2.5時間)をチケットに入力。
  • 効果: 契約の残り時間が正確に管理され、超過分の請求漏れを防ぎます。