設定エディター (Configuration Editor) は、Vtiger CRMの基本的なシステム動作設定を、プログラムファイル（config.inc.phpなど）を直接編集することなく、管理画面から安全に変更できる機能です。

「ヘルプデスクからのメールの差出人名」や「アップロードできるファイルの最大サイズ」、「一覧画面の表示件数」など、システム全体に影響する重要なパラメータをここで設定します。

1. 主な特徴

• サポート情報の管理: チケットシステム（HelpDesk）などが送信するメールの「差出人名」や「返信先アドレス」を設定できます。
• アップロード制限の変更: CRMにアップロード可能なファイルの最大サイズ（MB）を変更できます。
• 表示設定: ログイン直後に表示される「デフォルトモジュール」や、リストビューでの「1ページあたりの最大表示件数」を調整できます。
• ノーコード管理: サーバー上の設定ファイルを直接書き換えるリスクを負わずに、GUIで安全に設定変更が可能です。

2. 設定画面へのアクセス

1. 画面右上の 歯車アイコン（Settings） > CRM Settings をクリックします。
2. Configuration（構成） > Configuration Editor（設定エディター） をクリックします。

3. 設定手順

画面右上の Edit（編集） ボタンをクリックして編集モードに入ります。

設定を変更したら Save をクリックします。

4. 活用事例（レシピ）

事例1: 大きなファイルを扱いたい

• 課題: 契約書スキャン（PDF）が3MBあり、アップロードしようとするとエラーになる（初期値が小さい場合）。
• 操作: 「Max Upload Size」を 5 (MB) に変更する。
• 効果: 大きなファイルもCRMに保存できるようになります。（※サーバーの php.ini 設定も確認が必要です）

事例2: 営業特化の画面構成

• 課題: 営業担当者がログインして最初に見るのが「ホーム（ダッシュボード）」だが、すぐに「案件一覧」を見たい。
• 操作: 「Default Module」を Opportunities に変更する。
• 効果: ログイン直後に案件リストが表示され、ワンクリック分の時間を毎日節約できます。

事例3: サポートメールのブランド化

• 課題: チケットの自動返信メールの差出人が「Vtiger Support」になっており、顧客が混乱する。
• 操作:
  • Help Desk Support Name: 株式会社〇〇 カスタマーサポート
  • Help Desk Support Email-Id: support@example.co.jp
• 効果: 顧客にとって信頼できる差出人名となり、返信も正しい窓口に届くようになります。

5. 機能イメージ図（ポンチ絵）

この画面での設定が、システムの「入り口（ログイン直後）」「出口（メール送信）」「容量（ファイル）」に影響することを示した図です。

graph TD
    ADMIN("👤 管理者")
    
    subgraph EDITOR ["🛠️ 設定エディター"]
        MAIL["📧 ヘルプデスク情報<br>(名前・Email)"]
        UPLOAD["💾 アップロード上限<br>(例: 5MB)"]
        VIEW["🖥️ 表示設定<br>(デフォルト画面・件数)"]
    end

    subgraph SYSTEM ["システム挙動への反映"]
        OUT_MAIL["メール送信時の<br>「差出人名」が変化"]
        OUT_FILE["添付ファイルの<br>「サイズ制限」が変化"]
        OUT_SCREEN["ログイン直後の<br>「最初の画面」が変化"]
    end

    ADMIN --> EDITOR
    MAIL --> OUT_MAIL
    UPLOAD --> OUT_FILE
    VIEW --> OUT_SCREEN

    style EDITOR fill:#e3f2fd,stroke:#1565c0,stroke-width:2px
    style SYSTEM fill:#fff3e0,stroke:#ef6c00,stroke-width:2px
    style OUT_MAIL fill:#ffffff,stroke:#333
    style OUT_FILE fill:#ffffff,stroke:#333
    style OUT_SCREEN fill:#ffffff,stroke:#333